お金と結婚

若者の恋愛&結婚離れが盛んにメディアに取り上げられているが、50年ほど前の1970年代頃から「日本人の恋愛&結婚離れ」が始まったことについては、〈日本の若者の「恋愛離れ」「結婚離れ」は50年前から…?恋人いない歴10年の僕が「現状を当然」と考えるワケ〉で紹介した。

後編記事では引き続き、社会に出てから10年間恋人がいない佐藤大輝氏(32歳)とともに、少子化と未婚化が進んでいる我が国の「真の課題」について考えていく。

年齢を重ねるにつれて失われる結婚願望

結婚願望があるかないかと聞かれたら、たぶんあると思うけど、正直わからない。
子供が欲しいか欲しくないかと聞かれたら、たぶん欲しいけど、正直わからない。
そのように、僕が「わからない」を連呼する理由はハッキリと「わかっている」。

結論から先にお伝えしたい。僕は少子化と未婚化が進んでいる理由の一つに「お金を失いたくないから」という心理が隠れていると感じている。

世間一般で言われている「お金がないから恋愛・結婚できない」という理由が、経済力を手に入れるにつれ、「お金があっても結婚できない」へシフトしていくイメージだ。今の自分の精神状態は完全にこれである。

面白いデータを紹介しよう。厚生労働省の研究機関が公表した「第16回・出生動向基本調査」によると、なんと30~34歳の男性の約30%。女性の約20%が「一生結婚するつもりはない」と回答している。なお一生独身宣言をしている20~29歳までの男性・女性の割合は約15%だった。

なぜ年齢を重ねると結婚願望が低下する傾向があるのか。30代前半で結婚を諦めるのは、男女共にさすがに早すぎるではないか。

勘違いのないよう前置きしておくと、僕は世間一般で言われている「お金がないから結婚できない」という王道の理由を否定するつもりはない。

結婚に関しては、特に男性は収入と学歴に相関関係があること。私を含めた約2人に1人が奨学金地獄(平均借入額は約300万円)に堕ちていること。

30代単身世帯の預金中央値は56万円しかないこと。

経済的に厳しい状況では4月1日のエイプリルフールでない限り「君を一生幸せにするね☆」などと自信を持って言えない男性心理については理解している。

お金の大切さを学んだからこそ失いたくない

けれど今僕が述べた読者からの炎上を防ぐための前置き、つまり石橋を叩くような言い訳の姿勢にこそ、年齢を重ねるにつれ結婚願望が低下する理由が詰まっているのではないか。

社会経験が増えれば増えるほど、日本社会の残酷な姿や厳しさが嫌でも鮮明に見えてくる。まして現代はスマホ一つで何でも調べられる情報化社会だ。結果、結婚後の生活をシミュレーションすると今宵の寒さにも負けないくらい鳥肌が立つのではないか。

お金を稼ぐこと、貯めることの大変さを知った者が、箱を開ける一瞬のためだけのイベントに平均35万円。血圧や脈拍すら測れない金属の塊2つに平均26万円。女の子の夢の実現に平均300万円もの費用を払いたいだろうか(平均額はゼクシィ調べ)。

平均3~4万円と言われるお小遣い制度に移行したいだろうか。不動産なのか負動産なのかわからない建造物のために25~35年の借金漬けに浸りたいだろうか(もし仮に奨学金地獄を抜けた人なら、再び地獄に堕ちるように感じるのではないか)。

確実に幸せになれる保証があるのなら喜んで大金を払うさ。けれど筆者が過去40年間の婚姻数と離婚数を調べた限り、約3~4組に1ペアは離婚している。残りのカップルもラブラブどころかギスギスしているケースも考えられる。

実際、僕の両親は離婚はしてないが物理的に別居中だ。一緒の墓にも絶対に入らないと言っている。他界した祖父は不倫していた。天国か地獄かどちらに転ぶのかわからない結婚生活。炎上覚悟で言うと、まるでカジノの高レートなギャンブル(しかも勝率はイマイチ)のように僕は感じてしまう。

極めつけでハードルが高く感じるのは子育て費用の問題だ。幼稚園から大学卒業まですべて国公立で進学した場合の「教育費」の目安は約1000万円。食費や医療費など0~22歳までの「養育費」は、三井住友カードのこちらの記事によると、なんと約2000万円。

教育費と養育費、合わせて約3000万円。軽いノリで「子供を作ろう」なんて展開は、知識を得てしまった今の自分には絶対にできない。そしてこの思想は本記事を読んでしまったアナタにもきっとプレゼントされる。

どうすれば白馬の王子様になれるのか

補足だが、国から支給される児童手当は総額で約200万円。扶養控除等を考慮しても、正直に申し上げて、焼け石に水のように感じる。

インフルエンサーのひろゆき氏は少子化対策として「子供を産んだら1000万円支給」を提案しているが、生まれたての小鹿のようにガクガクと足を震わせている「経済的草食系男子」が安心して子作りに励むためには、たしかにインパクトのある経済支援が必要なのかもしれない。

生涯納めてくれる税金等を考慮すると十分に元は取れると思うので、ここは白色と赤色が似合う、白髪頭のオジイチャンたちの活躍に期待することにしよう。

最後に余談だが、先の厚労省管轄の調査結果によると、未婚者が独身でいる理由は25歳以上の男女で「適当な相手がいないこと」が堂々の第1位を占めていた。僕を含めた非モテの男性諸君の問題はここからだ。

男女ともに結婚相手には「人柄」が最重要視されているが、女性は男性よりも「家事・育児の能力や姿勢」は2倍、「学歴」は3倍、「職業」は5倍、「経済力」は10倍、重視すると回答した割合が多くなっている。

そういえば風の噂で「女性はいい相手に巡り合えない悩みを抱え、男性は好きな女性に選んでもらえない悩みを抱えている」と聞いたことがあるが、男女の切ないスレ違いが恋愛&結婚離れに拍車をかけている側面もあるのかもしれない。

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PS:
本記事にはただ単に「自分がモテない言い訳」をしたかった深層心理が隠れている気がする。結婚と子育てをする覚悟はまだ僕にはないけれど、正直ちょっとだけ、特に今日という日に限っては、すみません。彼女が欲しいかもです……。

<マネー現代>
預金1000万円以上あっても厳しい…32歳・経済的草食系男子の僕が「お金があっても結婚できない」と思うワケ

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