最低賃金の引上げや現金給付をはじめ、「格差是正」が大きなテーマとなっている昨今。実際のデータを見れば、首都圏一強ともいえる数値が明らかになっています。総務省統計局『2019年 全国家計構造調査』より、都道府県別の総資産について見ていきます。
都道府県別「資産総額ランキング」東京の強さの裏側
本記事で述べる家計資産総額とは「純金融資産」(金融資産残高から金融負債残高を引いたもの)と、「住宅・宅地資産」(居住用以外も含む)を合わせたものを指します。お金、そして不動産を合算した総資産はいくらなのか? 都道府県別に見ていきましょう。
総世帯の家計資産総額、1位はやはり東京「4,701.0万円」。唯一の4,000万円台を記録しています。2位神奈川「3,787.7万円」、3位愛知「3,489.8万円」、4位埼玉県「3,220.2万円」、5位奈良「3,204.2円」と続きます。
一方総資産額の少ない県について見ていくと、41位佐賀「1,641.5万円」、42位長崎「1,614.5万円」、43位宮崎「1,504.6万円」、44位秋田「1,503.0万円」、45位鹿児島「1,474.7万円」、46位青森「1,454.1万円」、47位北海道「1,431.6万円」となっています。1位の東京「4,701.0万円」と比べて、およそ3,200万円もの差が開く結果となりました。
金融資産残高に限った順位では、大きな変動が見られます。総世帯の金融資産残高を都道府県別にみると、1位は神奈川「1,607.7万円」、2位奈良「1,564.5万円」、3位愛知「1,557.3万円」、4位富山県「1,546.5万円」、5位岐阜「1,480.5万円」と続きます。東京は9位ま順位を落とし、「1,420.7万円」となっています。
金融資産残高とは、銀行・その他の金融機関への預貯金、生命保険・積立型損害保険の掛金、株式・債券・投資信託・金銭信託等の有価証券と社内預金等のその他の貯蓄の合計を指します。総資産額では1位だった東京。資産に占める不動産の割合が高いといえそうです。
金融資産平均値「1,291万円」中央値「400万円」の妙
一方金融資産残高が少ない県について見ていくと、40位秋田「956.7万円」、41位熊本「925.9万円」、42位大分「912.9万円」、43位北海道「867.7万円」、44位宮崎「792.9万円」、45位青森「784.5万円」、46位鹿児島「746.4万円」、47位沖縄「603.6万円」となっています。
金融広報中央委員会『令和4年 家計の金融行動に関する世論調査』では、2人以上世帯における金融資産の保有額について、平均値が「1,291万円」、中央値が「400万円」だったことが明らかになっています。金融商品を「全く保有していない」と回答した世帯は、2.6%でした。
一方、単身世帯の平均値は「871万円」、中央値は、「100万円」となっています。金融商品を「全く保有していない」と回答した世帯は、4.9%となりました。
金融資産保有額で垣間見る、平均値と中央値の大きな乖離。都道府県別のデータは、その裏付けともいえるでしょうか。老後資金2,000万円問題が取り沙汰されて久しいですが、「もう十分資産がある人」と「ほど遠い人」の格差が鮮明化されています。
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独身の資産「平均値は871万円、中央値は100万円」…都道府県別「資産総額ランキング」に見る恐るべき差