日本の神奈川県に住むAさんの部屋は漫画やフィギュアなどでいっぱいだ。 今年満45歳の彼は、70代の父親に仕えられ、毎月3万円(約26万ウォン)ほどの小遣いをもらって生活している。 唯一の収入源であるゲーム製作代金収入が月2万円(約18万ウォン)水準であり、到底一人では生活が不可能だからだ。 2年前、すべての世話をしてくれた母親が亡くなった後は、洗濯くらいは自分ですることになったが、食事は依然として父親や弟が買ってくれる弁当で解決している。
日本で数年前からA氏のように中年の年齢でも独立しないまま、高齢の両親に依存して生活する人たちを指す新造語が登場した。 まさに「コドモベヤオジサン」という単語で、略して「コドオジ」(こどおじ)とも言う。
韓国語にすると「子供」と「アジョシ」を合成した「アジョシ」、つまり「中年の子供」程度に解釈できる。 主に40歳を超えたにもかかわらず、両親の家に居候しながら学生時代に使っていた部屋で生活する未婚男性を指す。 同じ条件の女性を指す「コドモベヤオバサン」という言葉もあるが、前者が数的に多いためか圧倒的によく使われている。
去る2020年に日テレ朝日は「コドオジ」についての特番を放送した
A氏は自分の未来についてどう思うだろうか。 彼は「父もある程度年を取っているので、働き続けることはできないだろう。 後で(支援なしに)1人で暮らすなら、今の状態ではお金が足りないという感じはある」と話した。 小童子生活を続けるようになった理由については「幼い頃から当然ずっとこうやって生活している感じだ。 特別な理由はない。 実家を出ようと思ったことはなく、親から催促されたこともない」と答えた。
実際、日本で両親と一緒に暮らし、経済的に両親に全面的に依存する中高年層が初めて注目され始めたのはかなり前のことだ。 平成28年総務省の集計結果、実家に居候する満35歳~54歳の独身男女の数は446万人と調査された。 8年以上経った今は、これより数字が増えた可能性が濃厚だ。
彼らの中には、まともな職業があったり、経済的に自立する環境になる人もいる。 だが、静岡大学社会学科の荻野達教授など専門家たちは「そのような人々も独立しないのは結局経済的理由のためであることが色々な調査で明らかになった」と説明する。
これと関連し、日本のマスコミも懸念の視線を投げ続けている。 このような事例は80代の老父母が経済活動をしない50代の未婚の子供を扶養して生じるいわゆる「8050問題」につながるためだ。 実際、日本では数年前から「8050問題」関連事件·事故も相次いでいる。
韓国の40代未婚男性の4~50%はカンガルー族…新カンガルー族も急増
韓国で日本の「コド王子」に相応する言葉は「カンガルー族」だ。 2021年統計庁の報告書によると、韓国の30代未婚人口のうち、両親と同居する割合は半分を超える約55%であった。 40代初めの未婚人口でもカンガルー族は44%を超えた。 調査対象のうちカンガルー族は42%以上が無職で、1人世帯(就業者の割合75%)に比べて経済的自立度がはるかに低いことが分かった。
統計庁はカンガルー族が急増する背景として青年層就職難に住宅負担増加で3·40代になっても両親から経済·情緒的に独立できずにいる状況を指摘した。 このためか、職場があって結婚をしたにもかかわらず、住居費と子供の養育問題などで生じた「新カンガルー族」も日々増えている。
一部では、このような家具形態が現実的判断の結果であるだけで、あえて問題視することはないと見たりもする。 最近、米NBCニュースは韓国の3040カンガルー族現象を扱い、「一部は年を取った親をより簡単に養い、未来のためにお金を節約している」と報道した。 子供が職場と独立する能力を備えた状況なら、過去の大家族の形態と別段差がないという主張もある。
しかし、伝統的な大家族は両親が既婚の子供を連れて暮らすのではなく、子供が両親を扶養する形式で、よく言及されるカンガルー族世帯とは違いがある。 何より親の環境が整っていなかったり、子どもが「引きこもり」(引きこもり)なら、問題は深刻になる。
日本「8050」問題に「同居孤独死」まで深刻
2019年、日本で元最高位級公務員が40中盤の息子を殺害する事件が起き、大きな波紋が起きた。 このため、中高年のひきこもりの子供と高齢の親が体験する日本の「8050問題」の危険性がそのまま明らかになった。
80~50問題は、子どもとその親が高齢化し、自然に孤独死問題にも帰結している。 実際、日本では同居人がいるのに孤独死する「同居孤独死」が最近新しいイシューになっている。
過去、孤独死は日本で起きている現象として扱われたが、いつの間にか韓国でも深刻な事案になって久しい。 最近は青年孤独死まで目立って増加する傾向が現れている。
6日、釜山中区のあるワンルーム型ビラで20代の青年A氏が死亡した状態で発見された。 彼は発見当時、死亡して数ヵ月は過ぎたと推定された。
日本の場合、1990年代以後、長期不況と青年失業という構造的問題が引きこもり急増の背景だった。 現在、日本の中高年引きこもりの相当数がバブル経済崩壊後、2000年代半ばまで続いたいわゆる「就職氷河期」世代だ。 ある意味、凍りついた雇用環境の犠牲者たちだ。 卒業後、就職できず、これといった職業もなく転々としていた彼らは、時間が経つにつれ、いつの間にか中高年の年齢に入った。 一度就職時期を逃すと、再挑戦が容易ではなかった日本の雇用市場は、このような状況をさらに煽った。
韓国も青年層の引きこもり数が20万~30万人と推定されている。 彼らが中高年層になった時、日本80~50問題の電車を踏襲しないと予断できない。 最近吹いている非婚主義と急激な高齢化は、今後この問題をさらに深刻化する公算が大きい。 韓国は日本と違うという安易な楽観主義よりは、問題を打開する精巧で実質的な対策づくりが必要だ。