パートナーのいない男性よりも、シングル女性のほうが人生への満足度が高い人が多いという。
いわゆる「オールドミス」はいつも不機嫌――? そうしたステレオタイプに縛られるべきではないことを指摘する研究結果が発表された。シングルの女性たちは、同様にパートナーがいない男性たちよりもずっと、人生を楽しんでいると考えられるという。
調査方法
研究チームは、2020~23年に行われた10件の研究結果から得たデータを分析した。調査対象となったのは、18~75歳のシングルの5941人。平均年齢は31.7歳で、男女がぼ同数となっている。
対象者からは、以下について回答を得た。
現在の交際状況(ステータス)
人生に対する全般的な満足度
性生活への満足度
恋愛対象のパートナーが欲しいと思うかどうか
結果
全体として、男性より女性の方が、交際関係に関する現在の状況への満足度が高かった。さらに、そうした女性たちは人生そのものに対する満足度も、男性より高くなっていた。ウェルビーイングに関して行われた過去の調査でも、パートナーのいないシングルの場合、女性の方が良好な状態にあるとの結果が示されている。
女性の方が「シングルライフ」を楽しめる?研究結果が示唆
反対に、シングルの男性は女性以上に、恋愛関係にあるパートナーを求める気持ちが強いことが明らかになった。男性のウェルビーイングには、恋愛関係にあるパートナーの有無がより大きく影響していると考えられる。
また、新たに発表された論文によると、調査では性生活に対する満足度も女性の方が高いとの結果が示されている。論文の主著者、カナダ・トロント大学心理学部の博士課程で研究を行う学生であり、マクドナルド・ソーシャル・サイコロジー・リサーチ・ラボ(MacLab)の研究員であるエレイン・ホーン氏はこれについて、「意外な結果だった」と述べている。
結果が意味すること
研究結果から考えられるのは、シングルの場合、女性の方が恋愛以外のより幅広い人間関係、友人や家族とのつながりなどから、幸せを感じ取ることができているということ。
女性たちは恋愛関係にあるパートナーがいないことを、「より満足感を得られる時期にある」と捉え、自身のキャリアや健康、旅行などのために使える時間として活用していると考えられる。
女性の方が「シングルライフ」を楽しめる?研究結果が示唆
人間の行動や認識、社会に関する最新の研究結果を伝えるニュースサイト、サイポスト(PsyPost)には、シングルでいる人たちには「孤独なオールドミス」や「キャットレディ(何匹もの猫を飼う中年以降の独身女性)」、「エリジブル・バチェラー(結婚相手にふさわしい独身男性)」といった「性別によって異なるステレオタイプがある」とのホーン氏の指摘が紹介されている。
「こうしたステレオタイプが示唆するのは、シングルでいることを辛く思うのは女性たちの方だということです。ですが、研究結果から見ると、こうした固定観念が実際のところを表しているとは限りません」
「全体として、シングルの人たちは男性よりも女性の方が、幸せを感じていることがわかりました。男女間でウェルビーイングに関するこうした違いが見られるのはなぜなのか、その明確な理由を導き出し、すべての人がより良いシングルライフを送るための“材料”のリストを作成したいと考えています」
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
<Womes’sHealth>
女性の方が「シングルライフ」を楽しめる?研究結果が示唆