生涯未婚率の指標とされる50歳時の未婚割合は年々上昇。最新の2020年国勢調査では、男性の28.25%、女性の17.81%が未婚とされています。
そんななかで増えてきているのが「ソロ活」。おひとりさまをターゲットにしたイベントやキャンペーンなども見受けられるようになりました。
2020年12月16日放送「今夜くらべてみました」で発表されたのが「おひとりさま難易度ランキング」。放送から数年経った現在でも、このランキングがSNSを中心にネットで話題に挙がる機会も少なくありません。
現代のおひとりさまが難しいと感じる「おひとりさま行動」は何なのでしょうか。
本記事では、現代人のひとり行動の傾向やマネー事情を確認していきます。
記事の後半では「おひとりさま難易度ランキング」をもとに、トップ3にランクインしているものは本当にひとりで楽しめるのか筆者の実体験をまじえながら考えていきましょう。
1.現代人は「おひとりさま」が好きだった!? 最新のデータを確認
「カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社「おひとりさまに関するアンケート調査」」では、ひとりでの行動の好き・嫌いについて明らかになっています。
【男女1500名】ひとり行動の好き・嫌いについて
ひとりで行動することが「とても好き」と回答した人は全体の3割程度。「まあまあ好き」と回答した人をあわせると、8割以上の人がひとり行動を好んでいます。
結果をまとめたグラフから、若い世代やミドル層の男性がひとり行動を好む傾向にあるとわかります。
とくに「男性30〜49歳」「女性18〜29歳」は、ひとり行動に抵抗を感じている人(「まったく好きではない」)が極端に少ない結果となりました。
仕事をしていると、仕事の帰りに一人で映画やショッピングをしたり、お昼休みにふらっとカフェでひとりで過ごしたりすることも多いですよね。
とはいえ、ひとりでできること/できないことの区分が人それぞれあるのも事実。
次の章から、テレビ番組「今夜くらべてみました」で発表された「おひとりさま難易度ランキング」の内容をじっくり確認していきましょう。
実際に一人で体験してみたエピソードもご紹介します!
2.おひとりさま難易度ランキング、難易度上位は?
それでは「今夜くらべてみました」(2020年12月16日放送)で発表された「おひとりさま難易度ランキング」を確認していきましょう。
おひとりさま難易度ランキング
「おひとりさま難易度ランキング」1位にランクインしたのは「フレンチのコース」。次いで「ディズニーランド」でした。
「ひとりフレンチ」「ひとりディズニー」という言葉もありますが、それでもハードルが高いと感じる人は多いようです。
また、2019年頃から「ソロキャンプ」という言葉も流行りましたが、ひとりで「キャンプ」することに抵抗のあるという意見も見受けられます。
一方で「映画」「牛丼屋」「カラオケ」「ファミレス」などは、おひとりさまでも抵抗ない声が多くなります。たしかに、一人客向けの店舗や客層の大半をおひとりさまが占めている時間帯もありますね。
ひとり暮らしの場合、仕事帰りや休日にさっと食事をしたいと思うと、こうしたお店が候補になってくると思います。
筆者も、映画館ではおひとりさまをよく見かけます。映画によってはおひとりさまばかりということもあるかもしれません。
3.「おひとりさまランキング上位3つ」をひとりで体験
ちなみに、筆者はひとり行動が大好き。自由気ままに自分の好きなものにふれられるのはおひとりさまならではの魅力だと考えています。
以下、おひとりさまで体験したとき感じたことなどをまとめてみました。
3.1 フレンチのフルコース:考え事をして、料理に集中できる
ホテルやフレンチ料理、歴史への興味関心に加えて、ゆったりと過ごしたいなどという理由からひとりでフレンチのコース料理をチョイスすることがあります。
フルコースを提供しているレストランは落ち着きが保たれていることがほとんど。考え事をしたり、気持ちを整理したりするのにうってつけの場所です。
丁寧につくられた料理にしっかりと集中できるのも、おひとりさまならでは。
もちろん接客面も素晴らしく、最後に「ゆったり食事できましたか?」と声をかけてもらったこともあります。
フレンチのコースでは季節が意識されていることが多く、見逃しがちな季節をゆっくり感じたい方にもおすすめです。
ちなみに、一人だからといって居心地の悪い思いをしたことや差別的な扱いを受けたことはありません。
ただし、服装規定があるレストランも少なくないので、ラフに食事をしたい人は窮屈に感じるかもしれません。
3.2 テーマパーク:フレンドリーな接客に癒やされる!
上記のランキングでは「ディズニーランド」がランクインしていますが、筆者は「ユニバーサルスタジオ」にひとりで行ったことがあります。
ひとりでいる=ひとりで来ているとは限らないものの、ひとりでパレードを楽しむ人や食事をしていると思われる人もちらほら見かけました。
おそらく、キャラクターやパークの熱狂的なファンの人たちは、ひとりで楽しんでいる人も多いと思われます。
絶叫系を除くほとんどのアトラクションに乗りましたが、困ることはありませんでした。人数を聞かれた際に「1人です」と答えると、自然かつ慣れた対応をしてもらえました。シングルライダーも想定されているのでしょう。
また、ユニバーサルスタジオはフレンドリーな接客が魅力的。筆者はハリーポッターのアイテムを身に付けていたのですが、クルーから何度も優しく声をかけてもらいました。
ひとりでも、閉園時間まで時間をもてあますようなこともありませんでした。
3.3 カウンター寿司・海水浴:新鮮な会話やひとり時間を堪能
高級寿司の基準が曖昧なため、カウンター寿司と考えました。カウンター寿司は大将と客の距離が近いため、大将によっては話をふってくれます。
話題はお互いの仕事の話や、来店前の出来事などさまざま。どのカウンター寿司でも大将と会話しながら食べられるわけではないですが、会話には新鮮味があり楽しいものでした。
大将がお鮨に注力するタイプの場合はお鮨が出てくるまでの間はフレンチのレストランと同じように、考え事をするなどして過ごせます。
また、筆者は海にひとりで行くこともあります。海で泳ぐようなことはしませんが、海の近くまで行ったら海を眺めたり、海水にさわってみたりします。
海辺には犬と散歩をする人やひとりでランニングしている人などさまざまな人がいます。オフシーズンの海辺は静かで、リフレッシュには最適といえるでしょう。
4.独身の56.9%からは「お金の余裕がない」という声も
25~59歳の独身男女1000人「金銭面で余裕があると感じているか」
イベントごとを楽しむのにも、うってつけなおひとりさま。しかし、金銭面では不安な点もあるようです。
株式会社モデル百貨が実施した「おひとりさまのお金事情!独身貴族は本当にいる?お金の使い方や老後の備えなど本音で調査」を確認してみましょう。
25~59歳の独身男女1000人に「金銭面で余裕があると感じているか」と質問したところ、「まったく余裕がない」(30.5%)が最多回答。
「あまり余裕はない」(26.4%)をあわせると、56.9%の人がお金に余裕がないと感じていることがわかりました。
また、年代・男女別で見ると、もっともお金に余裕がないのは30代女性で「まったく余裕がない」(34.6%)と「あまり余裕はない」(30.2%)で、合計64.8%をマーク。
ちなみに、独身者の63.5%が「独身であることと金銭的な理由に関係はない」と考えていることが同調査の別質問で明らかになりました。
「お金がないから結婚できない」ということがSNSやインターネットなどで話題になることがあります。
しかし、実際には男性の58.8%と女性の68.2%が「お金がないから結婚できない」とは考えていないようです。
5.自分の好きなことを躊躇せずに楽しもう
「ソロ活」は自分のペース、自分のタイミングで楽しめるだけでなく、ひとりだからこそ気付けることもあります。
また、コース料理はかつては人と楽しむことが前提のものでしたが、落着きのある店内は思いをめぐらせたり、考え事をしたりするのにピッタリの場所。
筆者は観劇の前後にレストランを利用することが多く、舞台の内容や出演者について考えながら食事をしています。
「おひとりさま難易度ランキング」で上位にランクインしている場所も、エリアや時間帯によって異なるとはいえ「おひとりさま」はちらほらいるはずです。
例えば、筆者は「上野動物園」にもおひとりさまで足を運んだことがありますが、ひとりでいらっしゃっていると思われる方も見かけました。
また、ラーメンやサウナは仕事の帰りに立ち寄る人も多いのではないでしょうか。
ひとりでの行動は複数人では味わえないたのしさやよろこびがありますよ。