自分自身の介護

誰にとっても「おひとりさま」になることは他人事ではない。生涯独身でなくても死別や離婚によって、自身の介護と向き合わなくてはならない。

いざ介護が必要になってからではなく、少しずつでも第三者に助けてもらう生活に慣れておくことが大切だ。元気なうちから自治体の社会福祉協議会(社協)で受けられるサービスを使おう。

高齢者だけでなく障がい者や子育て世代などのサポートを行う組織として、市区町村ごとに設置されている。家の掃除や買い物、料理などの家事援助や通院介助などを格安で受けられる。利用しておけば、いざというときに相談できる顔見知りを作ることもできる。

突然認知症にかかっても、地域に知り合いを作れば地域包括支援センターや民生委員の間に入ってくれる確率は高い。

ヤクルトなどの定期的な宅配サービスを利用することで、人とのつながりを保っておくのも手だ。

最悪の事態を避けるためには、企業や司法書士などが請け負う見守りサービスを契約すれば、電話連絡などで安否を確認してくれる。

認知症になり、自分の意思が伝えられなくなったときに備えて医療行為に関する「事前指示書」は記入しておこう。胃ろうなどによる栄養補給、人工呼吸器の使用などについて意思を示せる。事前指示書は役所の窓口で伝えれば入手できる。

元気なうちに軽費老人ホームに入るのも手だ。健康で自立した生活ができる人も入居可能な施設で、月額約2万円から利用できる。

介護を受けるまでの流れは、記事の冒頭で説明した通りで通常と変わりはない。ただ、介護サービスだけではカバーしきれない範囲は自分で補わなければならない。

「ネットスーパーを使うことに慣れたほうがいい。食料はもちろん、いまは水からオムツまで日用品なら何でも購入できます」(介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏)

自宅で突然倒れたときに備えて、緊急通報装置を設置するのもオススメしたい。

人感センサーが一定時間動きを感知しないと、通報してくれるシステムだ。自治体によっては月額1000円程度で借りることができる。

ひとりでも、備えさえあれば何とかなるものだ。

<週刊現代>
「おひとりさま」の介護術…生涯独身、死別、離婚…頼る人がいない場合に「すべきこと」

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