インターネットが普及し、情報が行き交うことで様々な選択肢が増えた昨今。人の志向や生き方にも多様性が生まれ、今までの「当たり前」がそうではなくなってきた時代です。
とはいうものの、「独身でいること」に対してはまだ世の中の理解が進んでいないように感じませんか?
そんな中、「独身でいること」をポジティブに捉えられる一冊の漫画『気づいたら独身のプロでした』が話題となっています。本作は著者のカマタ ミワ先生の独身生活を描いたエッセイ漫画。独身の魅力やライフハック、落ち込んだ時の対処法など、「独身でもこんなに豊かに暮らせる!」ということが独自の目線で描かれています。
一方で、独身として自由な生活を送るのはいいけど、落ち込んだ時などは人一倍辛さを感じてしまう心配もありそう。パートナーがいれば共有してスッキリすることもできますが、ひとりだとそのまま悩み続けてモヤモヤ……。「元カレ・元カノに連絡する」という禁忌に手を出してしまう人もいるのでは?
言うまでもなく、それは逆効果。そんなことをしてしまっては、結局ヘンな関係が復活するか、あるいはまったく反応がなくて落ち込んでしまうのが関の山です。
「独身のプロ」であるカマタ先生は、そんな時の一番の解消法は「睡眠」だと断言します。
「理由があってツラいという場合(仕事でツラいことがあったなど)には、その原因に直接アプローチした方が良いかと思います。つまり、なぜそんなツラい状況になってしまったかを分析するということです。冷静に見つめて、その理由が見えてくると、案外そのモヤモヤがとたんに解消されたりするものです。
ですがそのアプローチ方法も、夜中に落ち込んだ状態で考えると100%悪い方向に行ってしまうので、まずは睡眠で体の方を整えて、考えるのは翌日に回した方がいいのです。すると、前日の夜にはとても思いつかなかった、建設的な方法を考えられたりする。睡眠の力って不思議だなと思います」
先生は睡眠の時間帯に気を付けることで、「心が整う」(特に脳内)ということを身をもって実感されたようです。よく健康メソッドとして「早寝早起き」が挙げられますが、道徳的な意味だけでなく、精神構造的にもきっと理にかなっているのですね。
ただ、夜勤などで「早寝早起き」ができないケースもありますよね。そんな時、「つらい物事があった時の、考え方・思考法」のような視点から、先生から他の解消法も提示いただきました。
「どうにもならないことが理由でつらい場合(大切な人との別離など)、人と共有することで楽になる人はどんどん共有した方がいいと思います。『独身』だと当然のように、『つらい時に一人ってどうなの?』という質問をされることが多いのですが、独身こそ人とのつながりが大切です。つらい時に一人でいる必要はないです。
と言ってはいますが、自分自身社会性がなさすぎるので、ここはこれから改善していこうとしている所です…。共有するのが苦手で一人でなんとかしたい人に伝えたいのは、『時間薬って本当にめっちゃ効く、年をとるほど実感する』ってことと、『他人をどうにかすることはできないから、自分ができることだけやる』です。
あとは『本当にヤバいと思ったらプロに頼るのが一番』。眠れない日が続く、食べ物の味がしない、以前楽しめていたことが何も楽しく感じなくなった、等の症状がある時は、迷わず病院に行きましょう」
独身といえども、つらい時には味方となってくれる友人・人間関係を作っておくことは大事。心地よい距離感を保ちつつ、時に寄りかかれる存在があると心強いですね。さらに自分の心の機微を把握し、「何かあったとき」に上手に立ち回れる能力も身につけたいところです。
漫画では「遅くとも23時には就寝」というのが「明るい脳」になるコツとありましたが、早寝が身についていないと習慣化が難しかったりしますよね。そのために、先生はこんな工夫をされているそう。
・時間通りにできたらこれをやっていい、というご褒美を作る。(23時に寝られたら明日これをやっていい、食べていい、など…)
・「今日何時に寝る!」と友人にLINEで送っておくなど、人に宣言する。
・寝るまでにやることをリストアップして、アラームをかけて進める。(お風呂に入るのが面倒でダラダラしたり、Twitterなどを見続けてしまう人には有効)
・早寝で得られるメリットを常に意識する。(「23時に寝なきゃ」ではなく、「23時に寝たらここ半年感じたことがないほど脳が明るくなる!」などのプラスのメリットであることが重要)
ひとりでいるからツラいのではなく、ひとりでいるからこそのツラさの乗り越え方がある……カマタさんのお話を参考に、あなたなりの「ツラさの乗り越え方」を考えてみてはいかがでしょうか。
<FRIDAY DIGITAL>
「独身のプロ」が教える一人でツラい夜を乗り越えるシンプルな方法