中国の若者の遺言書増加

ここ数年、遺言書を作る人は引き続き高齢者が中心だが、今や若者の増加率も非常に高く、多くの「80後(1980年代生まれ)」や「90後(1990年代生まれ)」、さらには「00後(2000年生まれ)」が次々と早めに遺言書を作成するようになり、自分名義の不動産や預金などを両親やパートナーに残すことにしている。

広東省広州市の広州公証処弁公室の何思明副室長は、「ここ数年、当処に来て遺言書の手続きをする人には新たな特徴が見られる。1つ目は『80後』と『90後』で遺言書を作る人の割合が年々上昇して、以前1%だったのが今は10%になったことだ。まだ30歳の若者が遺言書を作成することについて、私たちは少しもおかしいとは思わない。遺言書作りの若年化現象には、新しい物事を積極的に受け入れようとする若者の特徴が表れている。2つ目は、遺言書で相続する財産の種類がますます多くなったことで、従来の家、車、預金以外に、株式、契約の権利、資産運用商品などの資産も徐々に増え、微信(WeChat)アカウント、ゲームアカウントといったデジタル資産を持つ人もいる。一部の『80後』の遺言書のように、かなりの部分が会社の株券やファンドなどで占められるケースもあり、今後、遺言書に含まれる資産はますます複雑になり、たとえばさまざまな知的財産権などが含まれるようになるだろう」と述べた。

同省深セン市の深セン市幸福調和相続サービスセンターの閔斉双理事長の分析によると、高齢者に比べ、若者にはより強い資産計画の意識及び法的思考がある。若者は一定の知識体系を備えており、遺言書の役割と意義を正確に理解している。若者の遺言書作りでは、両親が出資した不動産は、将来に無用な争いが起こるのを防ぐため、遺言書によって前もって財産の分配方法を決めておくことが多いという。

また閔氏は、「将来の結婚がもたらすリスクを理解していることから、一部の若者は結婚前に遺言書を作成して、婚姻状況の変化によってもたらされる財産トラブルを避けるようになった」と述べた。たとえば「90後」の瀟瀟さん(仮名)は健康で病気をしたこともない専業主婦だが、最近、結婚前に住んでいた自分名義の不動産を両親と子どもに残すと決めた。瀟瀟さんによると、40歳以下の若年層が遺言書を作成する場合、両親と子どもが相続人になることが多く、中でも30歳以下の人は両親が財産を相続すると指定する割合が90%を超える。将来は若年層で遺言書を作成する人の割合がさらに上昇するだろうという。

閔氏は取材に対し、「不動産以外に、預金、株式、資産運用商品、自動車も若年層の主な財産で、今では遺言書による相続の対象になった」と述べた。関係機関の掲由敏さんは次のようなケースを紹介した。以前に女性の菲菲さん(仮名・25)の遺言書作りを手伝った時、彼女名義の不動産はなく、給与が振り込まれる口座のカードがあるだけだった。彼女は母親への愛情を表すため、それほど多くはない預金を遺言書を通じて母親に残すと決めた。(編集KS)

<人民網>
「80後」と「90後」に増える遺言書作り 独身時代の家は自分の両親に

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