独身の資産形成

迫る老後生活に備え、NISAを利用して資産形成をしようと考えている方もいるでしょう。しかし、「金融知識を持っていない」「貯蓄がない」という不安を抱えている方もいるかもしれません。

本記事では、年収1000万円・50歳独身の方が定年までの10年間で1000万円貯められるのかをシミュレーションしてみます。老後2000万円問題に備えるためにはいくらくらい必要なのかも、あわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

50代前半・大企業勤め会社員の平均年収は「約800万円」

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、規模1000人以上の企業に勤めている50~54歳の年間給与・賞与の合計額は805万5900円です。月収は約50万円、ボーナスは約200万円となっています。掲題の年収1000万円という金額は平均以上のため、独身であれば貯蓄や投資による資産形成の余地は十分にあるといえるでしょう。

NISAの「つみたて投資枠」をフル活用すれば「10年で1000万円」に届く可能性も

NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つが併用できます。つみたて投資枠とは、年間120万円(制度全体で生涯1800万円)まで投資信託の利益が非課税になる非課税投資枠の一つです。一方、成長投資枠は年間240万円(生涯1200万円)まで株式や投資信託などの利益が非課税になる非課税投資枠を指します。

今回のケースでは、安定した運用が可能で初心者にも始めやすいつみたて投資枠の活用がよいでしょう。つみたて投資枠の年間上限額は120万円のため、月10万円の拠出で上限に達します。

金融庁が公開している「つみたてシミュレーター」の試算によると、月10万円・想定利回り3パーセント・期間10年の運用資産額は1394万円です。諸事情で上限まで行かない場合でも、月8万円・想定利回り1パーセント・10年で1001万円となります。そのため、10年で1000万円という目標は十分達成できる可能性があるでしょう。

「老後2000万円問題」に備えるのであれば「成長投資枠」との併用も一考

老後2000万円問題は令和元年に提起された問題であり、夫婦のみ世帯の試算結果を指しています。そのため、最新の水準でいくら取り崩しが発生するのか、独身世帯ではどうなのかなどを定期的に計算しなければなりません。

総務省統計局の家計調査報告によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の実収入は13万4116円でした。一方、非消費支出1万2647円+消費支出14万9286円で毎月の収支はマイナス2万7817円です。つまり、単身無職世帯の場合、令和6年の水準では20年で667万6080円、30年で1001万4120円の取り崩しが発生する計算となります。

前記の通り、10年で貯蓄1000万円を達成できる可能性はあるものの、現状の生活水準を考慮すると貯蓄1000万円ではやや不安かもしれません。まとまった原資を用意できるのであれば、必要に応じて成長投資枠を併用するのも一案です。

まとめ

NISAのつみたて投資枠を上限まで活用すれば、10年間で約1400万円を貯蓄できる可能性があります。今回のケースでは、平均年収は同年代より高いため、NISAを利用する余裕があると考えられるでしょう。

しかし、現在の生活水準を考慮すると貯蓄1000万円では足りない恐れもあります。まとまった原資を用意できる場合は、つみたて投資枠だけでなく成長投資枠との併用も検討してみてはいかがでしょうか。

<ファイナンシャルフィールド>
50歳独身で“年収1000万円”の大企業勤めですが「金融知識も貯蓄もゼロ」…。定年までの10年間で“1000万円”は貯めたいですが、「NISAのつみたて投資枠」に“上限額”まで拠出しても無理でしょうか?