年収360万の契約社員

老後に受給できる年金額は、現役時代の年収によって変わります。年収があまり多くない、という人の中には、老後の暮らしに不安を感じている人もいるでしょう。

例えば、年収360万円の人の場合、受け取れる年金はいくらになるのでしょうか。今回は、年収360万円の人が受け取れる年金額と高齢者の平均支出額、年金だけでは足りない場合の対処法について詳しく解説します。

年収360万円の人の受け取れる年金額はおよそ月13万円!

厚生労働省が提供している公的年金シミュレーターによると、平均年収360万円で東京都新宿区在住の人が20歳から60歳まで厚生年金に加入して働いた場合、65歳以降に受け取れる年金額は年間で158万円、月あたり13万1666円です。

ただし、介護保険料や国民健康保険料、住民税が年間で約15万円かかるので、実際に受け取れる額は12万円程度になるでしょう。

独身高齢者の平均支出額はいくらくらい?

総務省が2022年に発表した家計調査年報によると、65歳以上の単身高齢者の月あたり平均消費支出額は14万3139円となっています。そのため、年金が月12万円の場合、2万円程度の赤字になります。

また、この調査では住居費が支出額の8.9%となっており、金額にすると1万2746円です。持ち家ではなく賃貸の場合、住居費はこの額よりも高くなってしまうでしょう。そう考えると、赤字額は4万~5万円程度になってしまうことも想定しておくべきです。

足りない分はどうすればいいの?

それでは、年金だけで足りない分はどうすればよいのでしょうか。方法としてまず挙げられるのは、繰下げ受給の活用です。繰下げ受給とは、年金の受給時期を66~75歳までの間に遅らせると、その分受給額が加算されるというものです。

例えば66歳まで受給を遅らせると、受給額は8.4%加算されます。この制度を活用して受給額13万円の人が48ヶ月後である69歳まで受給を遅らせると、その後に受け取れる年金額は月17万3680円になります。

また、60歳以降も働くという方法もあるでしょう。月4~5万円分だけ働いて年金で足りない分を補うという選択肢もありますし、先述した繰下げ受給で年金を月17万円ほど受け取れるようになる時期まで月16~17万円分働くという選択肢もあります。

また、国民年金の加入期間は60歳までですが、厚生年金は原則70歳まで加入できます。そのため、60歳以降も厚生年金に加入して働けば、足りない分を補いながら毎月の年金額を増やすことができて一石二鳥です。ただし、その場合には在職老齢年金制度で年金を減額されないように注意しましょう。

そのほか、老後までまだ時間に余裕のある人は、正社員やより収入の高い仕事に転職したり、空いている時間に副業をしたりして収入を増やすのもおすすめです。老後のための貯蓄や準備は、早く始めれば始めるほど有利です。つみたてNISAやiDeCoのような制度を活用するのもよいでしょう。

年収360万円では年金だけでは足りない可能性が高い!

年収360万円の人の場合、毎月受け取れる年金額は手取りで月12万円程度になります。それぞれのライフスタイルや持ち家かどうかにもよりますが、月12万円では老後はお金が足りなくなる可能性が高いでしょう。

対策としては、繰下げ受給の活用や老後も働くことが考えられます。また、収入を増やしたり貯蓄を始めたりして早いうちから準備を始めるのもおすすめです。

出典
厚生労働省 公的年金シミュレーター
総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要

<ファイナンシャルフィールド>
年収「360万円」の契約社員です。ずっと独身で老後が不安なのですが、1人で生きていくのは厳しいでしょうか? 年金があれば大丈夫ですか?

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