独身と既婚の生活水準

40代独身だからといって裕福であるとは限りませんが、家族がいる身にとって「自由に使えるお金」が多いことはうらやましく思うかもしれません。子どもがいれば自身の小遣いが減るのは当然として、独身者とは一体どれほど生活の余裕が違うのでしょうか。統計をもとに調査しました。

40代独身者の生活

総務省統計局の「家計調査 家計収支編」によれば、2024年の単身勤労者世帯(35歳~59歳)における1ヶ月の収入と支出は図表1のとおりです。

図表1

経常収入実支出収入-支出
男性44万6995円28万5250円16万1745円
女性32万8884円24万7428円8万1456円
総務省統計局 家計調査 家計収支編 より筆者作成
【家について】
●家賃地代 男性2万3918円、女性2万4331円は実支出に含まれます。
●土地家屋借金返済 男性1万1111円、女性1万1504円は集計外です。
●持家率 男性46.8% 女性51.7%

統計により、男性なら月々約16万円、女性は約8万円の「黒字」があることが分かりました。「子持ちで小遣い3万円」とは2倍~5倍以上の生活の余裕があることになります。

なお、単身(勤労者)世帯(35歳~59歳)で支出のうち食費は男性約5万6000円、女性約4万2000円です。表題のように月8万円を食費に使っているなら、日々の食費は2000円前後というところでしょう。

統計では35歳~59歳と幅広いので「40代の生活」は詳しく分かりませんが、自炊を一切しないなら月8万円を食費に使っていてもおかしくないですし、それでもなお生活にゆとりがあると想像できます。

2人以上世帯の生活

同じく総務省統計局の「家計調査 家計収支編」によれば、2024年の2人以上の世帯(勤労者、夫婦のみの世帯または夫婦と未婚の子どものいる世帯のうち世帯主の夫が40代)における1ヶ月の収入と支出は図表2のとおりです。

図表2

経常収入実支出収入-支出
71万8595円47万3860円24万4735円
総務省統計局 家計調査 家計収支編 より筆者作成
【家について】
●地代家賃 1万383円は実支出に含まれます。
●土地家屋借金返済 5万6337円は集計外です。
●持家率 85.8%

図表2は、2人のみの世帯も含んでいるため、違う条件でも調べてみました。40代に限らず、60歳未満の勤労者の「世帯の人数別」だと、図表3のとおりになります。

図表3

経常収入実支出収入-支出
3人65万5926円44万5057円21万869円
4人71万7737円47万5226円24万2511円
5人69万3412円47万5061円21万8351円
総務省統計局 家計調査 家計収支編 より筆者作成

【家について】(勤労者平均)

●地代家賃 5453円~1万4872円は実支出に含まれます。
●土地家屋借金返済 4万1395円~5万6593円は集計外です。
●持家率 77.3%~91.7%

2人以上の世帯は住宅ローンの支出が多い

図表1~3の実支出には地代家賃が含まれていますが、住宅ローン(土地家屋借金返済)や保険料の支払い、クレジットカード購入借入金返済費用などが含まれていない点に注意が必要です。

持家率は世帯人員と完全に比例しませんが、単身世帯では比較的低く、5人の世帯で高くなっています。住宅ローン返済費用は単身世帯で約6500円に対して、5人世帯で約5万7000円です。

つまり、単身世帯では図表1に示した「収入-支出」が実際に近いのに対して、子持ち世帯を含む複数人世帯では図表外の住宅ローンが重くのしかかっていることが多いということです。

まとめ

独身男性が黒字の16万円を毎月散財しているわけではないとしても、子持ち世帯を含む複数人世帯に比べて生活に余裕があることは確かでしょう。「収入-支出」を単身者と複数人世帯で比べると、単身者のほうが少なく思えますが、複数人世帯には住宅ローンの支払いがあります。

40代既婚男性がお小遣いを増やしたいと思っても、家族のお金を勝手に使うわけにはいかないという心理的な縛りもあり、自由には使えないことでしょう。1人あたりの「自由に使えるお金」が少ないのは仕方のないことかもしれませんね。

<ファイナンシャルフィールド>
40代で独身の友人は、自炊なしで食費に「月8万円」も使っているとのこと。子持ちで「小遣い3万円」の私と、生活の余裕はどれだけ違う? それぞれの収支を比較

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