11月3日は「まんがの日」。
気づけば身の回りに溢れている漫画作品から受ける影響は計り知れないもの。心や暮らしを豊かにしてくれもするし、そっと孤独から救い出してくれるものでもありますよね。
「ひとりでも、独りじゃない」
そんなことに気づかせてくれるのが、谷川史子さんの漫画『おひとり様物語』（講談社Kiss）。本作は、さまざまな環境で“おひとり様”として生きるキャラクターたちにフォーカスを当てた1話完結作品となっており、「ここにもう一人の私がいる！」と思わせてくれるような共感ネタが散りばめられていることからも、連載期間17年もの間、本当に多くの読者を惹きつけてきました。それがついに、9月発売の10巻をもって完結したことで、ファンの間で話題に！
また、2022年11月3日（木）～15日（火）の間、スパンアートギャラリーでは『おひとり様物語』の原画なども展示される「谷川史子原画展」の開催が決定！ そこで改めて、著者の谷川さんご本人に本作品が生まれた経緯などをアンケート取材にて伺いました。
FRaU webでは特別に、全8回の短期集中連載として、インタビューとともに1巻から1話ずつ試し読みをお届けします。
「さみしくないんですか？」と後輩女子に言われて…
▼第1話あらすじはこちら
主人公は、山波久里子 28歳・書店員。独身、ひとり暮らしで彼氏もいない。日中はよく働き、家に帰ったら「おひとり様」を満喫！ そんな悠々自適な暮らしに満足していた久里子だったが、ある日、後輩女子から「それってさみしくないんですか？」と言われて……。
――どのようなきっかけで本作が生まれたのでしょうか？
「『講談社から新しく出る雑誌で描きませんか？』とお声がけいただいたのが最初です。初めてお世話になる出版社だったこともあり、今までとは少し違う試みをしたいな、ごく短いページでさっくり読める読み切りシリーズなんてどうかしら、と考えました。
題材がなかなか決まらず焦っていた頃、TVで『おひとり様』の女性たちのドキュメンタリーを見て、ああ、これじゃないの、と。いろんな立場の彼女たちが、悩んだり惑ったりしながら必死で前に進もうとしている。自分の人生に誠実であろうとする姿に胸を打たれました。
ひとりひとりに人生があるのだ。
みんなしあわせになりたい。
その中身は自分で見つけて選びたいのだ。
そんなことを描きとめてみたいと思いました」
まるで1人の女性のナイトルーティーンを見ているようなテンポで展開していく第1話。「こんな時間の使い方いいな〜」と思わせてくれるようなエッセンスも盛りだくさん！ そしてなにより、しあわせは人それぞれ。こんな幸せの見つけ方もあるのか！と教えてくれる内容です。
SNSでも「昔から好きなマンガ！」「アラサーからアラフォー世代が読んで胸がキュッとなる作品を作る天才」「台詞一つとっても言葉選びがほんと秀逸で共感する」といったコメントが多く寄せられている本作。多くの読者を惹きつけてやまない本作をこの機に1話目から読み始めてみませんか？ 毎日を懸命に生きる現代人の心にも響く、温かなメッセージがきっと見つかるはず。