独身女性の老後資金

本記事では独身女性の老後生活について解説します。年金受給額や老後にかかる費用について説明し、老後の一人暮らしに向けた準備方法なども紹介しております。おひとりさまで老後を過ごすことに不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。

「老後は一人ぼっちで暮らすことになるけれど、きちんと生活していけるかな」
「老後のためにいくら貯金しておかなければならないのか、不安」
このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。

女性の平均寿命は長く、老後として暮らす期間は20年以上にもなります。その期間を安心して暮らすためには、事前に一定額のお金を貯めておかなければなりません。

そこで本記事では、独身女性が老後を安心して過ごせるよう「必要な貯金額の算出方法」「おすすめの資金運用方法」などを解説します。老後を迎えるまでにいくら貯めておくべきなのかがわかる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

一人暮らしの高齢者女性は増加している

現在、一人暮らしをする高齢者女性が増えています。これには以下のことが関係しており、既婚・未婚問わず直面する可能性のある問題のひとつです。

<一人暮らしの女性が増加している背景>
●生涯未婚率が上昇している
●男性よりも女性のほうが平均寿命が長いため、同年代の男性と結婚しても、見送る立場になる場合が多い(※)
※男性81.47歳、女性87.57歳(厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」より)

2020~2024年の未婚率は17.8%と推定されており、およそ女性の6人に1人が結婚せず50歳を迎える計算となります。

独身女性が抱える老後資金に関する3つの不安

一人ぼっちで老後を過ごすとなると、お金に関する不安がつきまとうはずです。しかし多くの方は「なんとなく、今の貯金では足りないのではないかと思う」と漠然とした不安にとどまっているのではないでしょうか。

老後を一人で過ごす際、女性が不安に思う出費は「生活資金」「病気・介護」「死後」の3つに集約されます。自身の不安がなにから生じているのか、その原因を把握しておきましょう。

生活資金の不足

「このままの貯金ペースで、老後きちんと暮らしていけるのだろうか」「女性一人で、老後資金をきちんと貯められるだろうか」といった不安は誰しも持つはずです。もし途中でお金が尽きたら、セカンドライフを楽しむどころか、衣食住にも困ってしまうかもしれません。

そこで「お金を貯めておかなくては」と思うものの、いくらをどのようなペースで貯めればよいのかがわからず、不安に思うはずです。

病気・介護などが必要になったときの備え

生活費の次に「病気や介護が必要になったとき、自身の希望の医療・介護サービスを受けられるだけの貯金ができるだろうか」という不安があるのではないでしょうか。

たとえばがんで先進医療を受ける場合は、100万円や200万円を超える治療費がかかる場合もあります。また治療に際して、入院費や差額ベッド代がかかる場合もあるでしょう。高額療養費制度や民間の健康保険も利用できますが、かかった費用をすべてカバーしてくれるものではないため、金銭的な負担は必ず生じます。

一方で介護施設に入所する場合は、施設にもよるものの、数百万円の入居一時金や毎月10~30万円程度の費用が必要です。こちらも、公的介護保険によりサービス利用料が軽減される場合もありますが、自己負担分は必ず発生します。

こうした治療や介護に関する費用をカバーできるお金を貯めておけるかといわれれば、不安のある方も多いでしょう。

自身の死後にかかる費用の準備

一人で暮らすとなれば、自分の死後のことも気がかりなもの。お子さまのいらっしゃる方なら葬儀費用が、未婚の方は葬儀をしてくれる人がいないこと・お金のこと双方が不安の種となるはずです。

自身の死後に必要なお金としては、葬儀費用・墓地費用・遺品整理費用などがあります。葬儀だけでも、一般葬なら平均191万円程度が必要です。そのほかにも遺品整理や墓石代などもかかることを考えれば、決して無視はできない出費となるでしょう。

単身世帯の老後に必要な資金を算出する3ステップ

老後の出費の主なものとして「生活費」「病気・介護費用」「死後にかかる費用」がありました。しかし肝心なのは、そうしたお金をカバーするにはいくら必要かという点です。毎月の生活費を計算し、年金受給額との差額と、老後20年で必要になる貯蓄額を算出しましょう。

結論をいえば、65歳以降の20年を安心して暮らすため必要になる貯金額は、560万円あるいは1,880万円です。ここから「自身の場合どちらか」「それ以上必要そうか」を確認する計算方法を解説します。

毎月の生活費を計算する

総務省統計局の調査によれば、65歳以上の単身無職世帯における月々の出費は、平均13万2,476円です。

交際費・住居費・教養娯楽費などが上位に入っていますが、こうした費用は、人によって大きく変わります。たとえば友達と楽しく老後を過ごしたい方は、月々15,000円の交際費では足りないかもしれません。また賃貸にお住まいの方なら、家賃としてさらに数万円かかるでしょう。

老後にかかる生活費は、人生設計や病気や介護などの予期せぬ出費などに左右されます。上記の統計をもとに、自身はどれくらい金額を追加しそうかを含めて検討しましょう。

年金受給額を確認する

目標の貯金額を算出するには、「老後に毎月出ていくお金」のほか「老後に毎月入ってくるお金」も確認しなければなりません。老後に受け取れる金額は、加入している年金の種類により大きく異なります。

<年金ごとの平均給付額(月額)>
●厚生年金(会社員)…10万9,205円
●国民年金(自営業者等)…5万4,112円
参照:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

ただし年金は、受給できる金額が変動する可能性があります。実際に、2022年4月には年金として受け取れる金額が引き下げられました。老後の生活にかかわる重要なお金のため、自身がいくらもらえそうか、定期的に確認しておくとよいでしょう。

必要な老後資金を計算する

毎月の収入と支出がわかったところで、老後の20年間で必要になる金額を計算しましょう。結論をお伝えすると、厚生年金受給の場合は約560万円が、国民年金受給の場合は約1,880万円が貯金として必要です。

また上記で算出した「老後までに必要な貯金額」を貯めるには、今からいくらずつ貯金に充てなければならないのかも算出しておきましょう。

独身女性が気をつけるべき4つの支出

ここまで算出してきた「560万円」「1,880万円」の金額は、生活費のみの不足分です。上記にくわえて、医療費・介護費・住居費・死後の整理費用なども必要となります。それぞれ無視できない金額になりますので、費用の中身について、それぞれ確認していきましょう。

医療費

「70歳を超えれば医療費の自己負担額は減るし、医療費としてお金を用意しておく必要はないのでは?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし5年ごとにかかる医療費の平均は、以下のとおり。65~69歳で受けたすべての治療が保険適用のものだったとしても、3割負担分(約14万円)は支払う必要があります。実はかさみやすい出費のため、医療費にも備えておかなければ後悔する可能性があるのです。

介護費

介護費用として必要な金額は、平均500万円です。しかしこれは介護の平均期間が61.1か月なことと、介護にかかる平均費用8.3万円/月から算出したもので、女性に限定して計算したものではありません。女性の平均寿命は男性よりも6年ほど長いため、介護が長期化し、よりまとまった介護費用が必要になると想定されます。

また、もし親戚をはじめとした周囲の方に介護をしてもらう場合は、上記の500万円のほかに、一時的な費用(介護ベッド代・リフォーム代など)として平均74万円がかかります。一方、頼れる方がおらず介護施設に入居する場合は、上記の金額ではなく入居一時金(数百万円程度)と毎月10~30万円程度の月額利用料が必要(※3)です。

住居費

住まいにかかる費用も、無視できない支出のひとつです。持ち家に住む場合は、修繕費や固定資産税のほか、残っていれば住宅ローンの支払いもしなければなりません。

賃貸に住む場合は当然、毎月の家賃を支払う必要があります。住宅ローンや月々の家賃を計算し、老後のための資金として計算に含めておきましょう。

死後の整理費用

死後の整理費用として、お葬式に平均で191万円程度、墓石(一般墓)に平均170万円程度がかかります。(※)また身寄りのない方の場合は、法律専門家と死後事務委任契約を結んでおけば諸々の手続きをしてもらえますが、費用として50~100万円程度が必要です。

ここまでの費用を合計すると、一人ぼっちで暮らす女性の死後にかかる費用は、平均で361~461万円ほどになります。

ここまでご紹介してきたとおり、安心して老後を過ごすなら、しっかりした貯金を作って対策しておかなければなりません。そのためには、以下のことをしておきましょう。

<老後安心して暮らすための準備>
●マネープランとライフプランの見直し
●貯金計画の作成
●家計の見直し(不要な支出をカットし、貯蓄や資金運用へ充てる)
●もっとも効率的な資金運用方法を知り、お金を増やす

とくにマネープランは、必ず組み立てておきましょう。マネープランは人生における資金計画をいい、「このペースで貯金した場合、いつまで生活できるか」を把握するのに役立ちます。つまり、マネープランを立てなければ「老後資金のために毎月いくら貯金しなければならないか」「現状ではいつまでもつか」がわからず、破綻してしまうでしょう。

ここまでご紹介してきた目安の金額を活用して、マネープランを作成・検討し、貯蓄額を達成するために有効な手段を実行していく必要があります。

独身女性が老後に備えるための資産運用6選

一人暮らしの女性が老後資金を貯めるなら、NISAやiDeCoなどを活用して、資産を有効に運用するのがおすすめです。ここから資産運用方法を6種類ご紹介しますので、自身に合う運用方法がどれかチェックしてみてください。

NISA、つみたてNISA

NISAとは、少額からの投資をする個人へ向けた非課税制度です。日本在住で20歳以上の方なら誰でも、NISA口座を開設してはじめられます。

NISAでは、毎年株式や投資信託で投資し「普通分配金」「譲渡益」などで得た運用益を一定期間非課税で受け取れます。上限金額があったり元本割れのリスクがあったりと注意事項もありますが、長期的にみれば高いリターンも期待できる制度です。

また、NISA(一般NISA)とつみたてNISAは、取扱商品や上限金額において違いがあります。つみたてNISAのほうが「長期・積立・分散投資に適した商品がある」「とくに少額からの投資ができる」といった特徴があるため、投資初心者におすすめです。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、老後の資金形成を目的とする資産運用制度です。少額投資が可能で、国民年金の被保険者なら加入できるため、自営業者や学生などにおすすめです。また、掛金・運用益・給付金それぞれで税制優遇が受けられる(節税効果がある)のも、iDeCoのメリットといえるでしょう。

ただし、iDeCoは「お金を60歳になるまで引き出せない」「運用方法によっては元本割れのリスクがある」といったデメリットもあります。メリットとデメリットを比較して、運用をはじめるか検討しましょう。

投資信託

投資信託(ファンド)は、「投資家が投資した資金を運用の専門家がとりまとめ、株式や債券に投資・運用する商品」をいいます。実際の運用は専門家がしてくれるため、個人は投資に関する高度な知識を身につける必要がありません。

また投資信託には「少額投資が可能」「分散投資でリスク対策が可能」といったメリットもあります。分散投資の考え方が基本にあるため、リスクを回避しつつ資金運用ができるでしょう。

ただし、「iDeCoやNISAにあったような税制上の優遇措置(非課税枠)はなく、節税効果が低い」「元本割れのリスクがある」などの点がデメリットとなります。節税にはならないものの、分配金を適宜(てきぎ)受け取れるといったメリットもありますので、重視したい点がどこかに応じて決めましょう。

保険商品

個人年金保険に加入し、公的年金以外の収入を確保するのも選択肢のひとつです。保険商品で備えるメリットには、「民間の保険会社がそれぞれ商品を用意しているため、種類が豊富」「保険料控除が受けられる」といった点が挙げられます。それぞれの保険会社の商品を比較し、マネープランにあわせて備えられるでしょう。

ただし、途中解約すると「元本割れ」が起きる可能性もあります。加入してすぐ保険を解約した場合、解約返戻金が少なかったり戻ってこなかったりする可能性もあります。

保険商品はリスクを回避しつつ資金運用できる方法ですが、長期的に利用するかどうかを検討したうえで判断する必要があるでしょう。

不動産投資

不動産投資は「不動産を購入し、他人に貸すことで家賃を得る投資方法」を指します。入居者を確保できれば、年金以外の収入が確保できるでしょう。

ただし、不動産購入・管理費・修繕費などでまとまったお金が必要なことや、手間がかかることがデメリットとして挙げられます。一方で、きちんと修繕し手入れ・管理しておけば、不動産を手放す際により高い売買益を見込める可能性も。修繕やトラブルにその都度対応できる方におすすめです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は、数万円~100万円程度に小口化して販売されている不動産を購入することで、賃料・売却益が分配されるものをいいます。先ほどご紹介した不動産投資よりも少額ではじめられるうえ物件を管理する手間がないため、より簡単に資産形成ができます。

ただしその一方で、「若干低金利になる傾向がある」「選択肢がまだ少ない」「元本割れのリスクがある」といったデメリットに注意しましょう。

まとめ

老後の一人暮らしには、好きなことをして過ごせる・制限が比較的少ないなど、大きな魅力があります。しかし、早めにライフプラン・マネープランを作成し計画的に貯蓄しておかないと、生活に困窮してしまう可能性も。あるいは、病気や介護といった突発的な出費に対応できない場合もあるでしょう。そのためマネープランを組み立てておき、コツコツと計画的にお金を貯める必要があります。

しかし老後に必要な貯金額は巨額なため、資産を運用して効率的に増やすのがおすすめです。資産運用の方法はNISA・iDeCoをはじめとしてさまざまなものがありますので、目標とする貯蓄額や運用方法を考慮して、ぴったりの手段を活用しましょう。

<zakuzak>
一人ぼっちの女性が抱える老後資金に関する3つの不安 気をつけるべき支出と対策を紹介

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