現在、日本では男女ともに未婚率が上昇傾向で、特に男性で未婚の人が増えています。未婚率が高くなると、さらなる少子化につながったり、未婚の人の介護を誰が行うのかなど、別の問題が生まれてくる可能性があります。
今回は、日本の未婚率に焦点を当てて、老後に向けて今からできる準備や対策について考えていきましょう。
50歳時の未婚率の割合
内閣府男女共同参画局が公表している資料によると、50歳時での男女の未婚率(結婚未経験)の割合は、2020年で以下のとおりとなっています。
男性:25.69%
女性:16.37%
男性は、4人に1人が未婚であることが分かります。50歳時の未婚率については、1990年頃は男女ともに約5%でしたが、ここ30年で大幅に増加傾向が見られます。未婚の女性も増えていますが、男性は2000年以降、特に上昇率が高くなっています。
未婚が増える理由とは?
日本の未婚率が増えている原因は、いくつか考えられます。
- 女性の社会進出により、経済的理由で女性が結婚をする必要がなくなった
- 働く女性は結婚後、家事や子育ての負担が増えることから、結婚をしたいと思わなくなった
- 男性の収入が少なく、結婚して家庭を持つことが難しいと考える人が増えた
結婚とお金には密接な関係があります。かつての日本では、男性が外で働き、女性は専業主婦となる家庭が多かったのですが、現在では働く女性も増えています。
自立して生活できる収入がある女性は、経済的な理由から結婚をする必要はなくなり、むしろ自分よりも高収入の男性を求める傾向があるため、結婚へのハードルが高くなっているとも考えられます。
また、子育てにかかる費用の増加により、収入が少ない男性の場合は家族を養うことができないという理由で、結婚に踏み切れない人もいるでしょう。
「お金さえあれば結婚するのに」と結婚について先延ばしにしていたり、結婚をあきらめている若い人も増えている傾向があるようです。
未婚率が上がり続けるとどうなる? 老後の準備や対策は?
未婚率が上がると、結果的に出生率も下がると考えられます。日本は少子化が進んでいますが、このまま未婚率の上昇が続いた場合、少子化をさらに加速させる要因となってしまうでしょう。
また、未婚の人が高齢となったときに、その人の介護を行う家族がいないという問題が発生します。介護者がいない場合は施設などに入所することになりますが、その費用もかかります。
介護保険制度がありますが、制度の利用者が増えることによって社会全体で介護費用が増大した場合、現行の制度や介護保険料の負担ではカバーできず、保険料の値上げにもつながるかもしれません。
未婚率が上昇し続けている今、個人としてできる準備にはどんなことがあるのでしょうか。
もしも自分がおひとりさまで、将来も結婚をしないという意思がある場合、老後の資金や介護費用などを事前にしっかり準備しておく必要があります。おひとりさまでも老後の生活に困らず、生き生きと暮らしていけるように、ライフプランやマネープランを早めに立てておくと安心です。
また、国としては「収入が少なくて結婚できない人が増えている→未婚率の増加→少子化の加速」という悪循環を断ち切るために、賃金アップや子育て世帯への支援策の充実など、具体的な政策を早急に実施する必要があるでしょう。
<ファイナンシャルフィールド>
50歳男性の4人に1人は独身。これからの日本はどうなる? おひとりさまがするべき準備とは?