なぜ結婚しないの?と聞かれる

Aさん(女性、40代)の怒りの証言のようです。

「おもに年上の男性から、よく『なぜ結婚しないの?』と聞かれます。それはもう慣れました。でも、このあいだは『いやあ、したいんですけどね』と適当に流したら、続けて『したほうがいいよ。できない原因は何だと思う?』と言ってきたんです。さすがに絶句しましたね。しかも、その人バツイチなんです」

「おもに年上の男性から、よく『なぜ結婚しないの?』と聞かれます。それはもう慣れました。でも、このあいだは『いやあ、したいんですけどね』と適当に流したら、続けて『したほうがいいよ。できない原因は何だと思う?』と言ってきたんです。さすがに絶句しましたね。しかも、その人バツイチなんです」

Aさんは、心の中で「結婚に失敗したお前が、なんで独身に結婚を勧めたり、独身の理由を詰めたりしとるんじゃ、ゴルァ!」と突っ込んだとか。ごもっともです。

「なぜ結婚しないの?」という質問は、おもに既婚者男性(バツあり含む)から、30代後半以上の独身女性に向けて発せられがち(当研究所調べ)。男性が尋ねられることは、女性ほど多くありません。

こういう話になると「結婚しない理由を聞いて、なにがいけないのか! 気にし過ぎだ!」といきり立つ人もいます。

男女問わず、好意を抱いている相手に対して、今後の交際を視野に入れつつ、遠慮がちに「結婚なさっているんですか?」と尋ねることはあるでしょう。それはほほ笑ましいだけで、失礼でも何でもありません。

しかし、既婚者が独身女性に「なぜ結婚しないの?」と聞くのは、話が違います。たいていは無意識にですが、優位に立った気になりたいとか、気にしてそうな部分をつついて嫌な気持ちにさせたいといった「邪悪な動機」がほとんど。聞かれた側が不愉快になるのは当然です。

「単なる好奇心だ! 既婚か未婚かで優劣をつけてはいない!」と言い張りたい人もいるでしょう。それも自分に都合がいい言い訳。

「好奇心」だとしても、プライバシーにずかずか踏み込む無神経さや、相手が不快に感じるかどうかはお構いなしで、自分の欲求を満たそうとする図々しさは、十分すぎるほど失礼です。「単なる好奇心」だからと、女性にバストのサイズを聞いていいことにはなりません。

「いい人がいなくて」と返したら、高い確率で、「理想が高過ぎるんじゃないの」「選り好みし過ぎじゃないの」などと“独身である理由”を推測されがち。もし身に覚えがあって「親切のつもりだったのに」と思っているとしたら、猛省が必要です。

「結婚していない人にはわからないと思うけど」
「独身は自由でいいよね」
「老後はどうするの」

既婚者は独身者に対して、こうしたセリフも言いがち。既婚だから老後は安心とか寂しくないとか、そんな保証はぜんぜんありません。

逆に、独身者の側が、「なぜ結婚なんてしたんですか?」「ひとりの相手や家庭に束縛される生活なんて自分にはできないな」

そんな失礼なセリフを口にしたとします。しかし、失礼という印象が弱いのはなぜでしょうか。もしかしたら、失礼と感じないこと自体が、すごく失礼かもしれません。

人は誰しも自分を肯定したいもの。既婚者は既婚の自分を肯定したいし、独身者もしかり。それはぜんぜんかまいません。いっぽうで、既婚者はもとより独身者も、多くの人は「結婚して一人前」「結婚したほうが幸せ」という根拠のない刷り込みに縛られています。そこが、結婚の話題をややこしくしている元凶といえるでしょう。

とくに既婚者の側は、失礼の落とし穴にはまらないように、くれぐれも注意したいところ。まずは「既婚のほうがエライ」という恥ずかしい勘違いを捨て去ることができたら、リスクはかなり低くなります。

結婚=正義という価値観は根付いているので知らず知らずのうちにもこういう発言をしてしまっている既婚者の方もいるのでではないでしょうか?そろそろきをつけて頂きたいものです。

<デイリー新潮>
なぜ既婚男性は独身女性に「なぜ結婚しないの?」と聞きたがるのか

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