独身女性のマイホーム購入

リクルート住まいカンパニーが行った調査(*)によると、2020年に首都圏の新築分譲マンションを購入した独身女性の割合は、購入世帯全体の8.6%。この数字は、昨年から2.1ポイント上昇しており、調査を開始した2001年以来最高となっている。

また、エイチームフィナジーが2020年3月に30~50代の独身の男女約800人に行った「独身者の住宅購入に関しての意識調査」では、「すでに住宅を購入している」と答えた割合が最も多かったのは50代後半の女性で、50代後半女性の回答者の3人に1人は住宅を購入している実態が明らかになった。

これらの調査結果を見ると、独身女性がマイホームを購入する動きは徐々に広がっているといえる。背景には、女性の働き方や結婚観の変化があると考えられる。

前出のリクルート住まいカンパニーの調査によれば、シングル世帯(男女混合)がマンションを購入した理由として、「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから(40.8%)」、「現在の住居費が高くてもったいないから(31.8%)」、「老後の安心のため、住まいを持ちたいと思ったから(31.1%)」などが上位に並んでいる。

ひと昔前であれば、「マイホームは結婚や出産を機に」という印象を持っていた人も多かったように思う。だが今や、性別を問わず、独身のまま老後を迎えることを想定し、資産形成の手段としてマイホームを選ぶ人が増えているのだ。

また、独身女性のなかには「もし今後結婚することになったら」と考えてマイホーム購入をちゅうちょする人もいるだろう。だがインタビューされた方はこのように語っている。

「独身が家を買うと、『結婚を諦めた』『今後の人生の変化を考えていない』と思われがちかもしれません。ただ、実際に購入した独身女性のなかで、それほど決意を固めていた人はほぼいないと思います。いつか結婚したら、相手を私の家に呼んでもいいし、手放す必要があったら賃貸に出すか売ればいい。でも、マンションは何歳でも買えるものではなく、ローンや健康状態によって時期は限られます」

マイホームを買ったからといって、即人生が決まるわけではない。今後、どんな生き方を選んでも資産が残る方法として、独身のままマイホームを検討する人は増えていくはずだ。

<DIAMOND online>
「独身女性のマイホーム購入」が増加、人気の理由と購入者の本音とは

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