中国高齢者の婚活

中国は高齢化が急速に進んでいる。最新の統計では、60歳以上の人口が2.67億人と、日本の人口の2倍に達し、人口の18.9%を占める。「一人っ子政策」や急速な経済発展の影響で、核家族化が進んでいる。子どもと離れて暮らす老夫婦や独り暮らしの高齢者が急増し、上海や北京などの大都会では、その割合が70%を上回る。

そのような中で、配偶者を失ったり、離婚したりした高齢者を含めて、独身の高齢者が高齢者全体の25~30%の割合となっており、約7000万人と推計されている。
 人間関係が段々と薄れていく中、一人っ子の子どもが成人し実家を出た場合、高齢者が直面する最大の問題は孤独だ。
 中国では、企業の定年が日本よりはるかに早く、50~60歳となっている。定年しても心身共に元気で、「第二の人生」を始めようという思いで、一緒に暮らす相手を求めることは自然の流れであろう。
 中国社会科学院の最近の調査では、配偶者を亡くした高齢者の8割が再婚を願う。また、入籍せずに同居を望む人も多いという報告もある。

近年、公園の一角や観光スポットなどに「高齢者お見合いコーナー」が出現し、話題となっている。規模が大きく、かつ有名なものは、北京の菖蒲河公園や四川省重慶市の洪崖洞などである。
 菖蒲河公園は、天安門広場の近くにあり面積が3.8ヘクタール、緑豊かで美しい環境にある。洪崖洞は大ヒットアニメ映画「千と千尋の神隠し」のような雰囲気で、著名な観光地だ。週末になると、数百人の高齢者で埋め尽くされ、にぎわっている。
 また、数年前から話題となり、批判されてきたのが、上海市の西南角に店舗を構える家具販売大手イケアの食事エリアだ。無料コーヒーを飲みながら出会いを待つ高齢者が、多い日だと500人もいたという。
 若い買い物客からは「営業妨害」と非難されていた。そのほか、筆者が以前、上海の「人民公園」にある名物の「親の代理お見合いコーナー」を見学した時に、公園の別の一角に100人近くの中高年のお見合い会も開催されていた。

しかし、婚活を積極的にしても、実際に結婚まで至る人は数パーセントしかいないのが現実である。その理由は、生活習慣の違いや財産問題、家族の反対などだ。
理由はともあれ、高齢者再婚の道は平たんではないのは、確かである。

中国の60歳以上の人口が日本の人口の二倍の2.67億人もいて、そのうちの約7000万人が独身というのはすごいスケールだなと感じます。
この7000万人が安心して暮らせる世の中になっていくといいなと日々思います。

<JIJI.COM>
婚活に前向きな中国の高齢者、街には専用のお見合いコーナーも【洞察☆中国】

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