独身女性の代表的な存在であるオアシズの大久保佳代子さんが心境の変化等に関してインタビューされています。
大久保佳代子さんインタビュー
40代は「まだいける、まだいける」と思っていました。ただ、50代になって、「いつまでも今の状況が続くとは思わないで、自分で決めて動かなきゃいけない」と考えるようになって、やっと重い腰を上げようとしているところです。
昔のテレビのままだったら、もしかしたら50~60代までこのままのスタンスで続けていけるのかもしれないですけど、TikTokとかいろいろなメディアが生まれてテレビだけではない時代なので、適応していかなければいけない危機感はあります。それに、相方の光浦さんが50歳でカナダに行くなんていうのを目の前でやられたので、「そっか……」とは思っていますね。
60歳になった時にもっと楽しく生きるために、今からなんとかしなきゃって感じです。60歳、70歳になって元気なのに家で何もせずポツンとしているのは嫌なので……。別に芸能界にこだわらなくても良いのですが、やりがいや生きがいはほしいなと思います。いま興味を持っている動物愛護などの活動かもしれないし、いろいろ考えているところですね。
――50代になって良かったと思うことはありますか?
20代の時よりも選択肢が少なくなって、楽だなと思っています。
私は意外と欲深い女で、20代の頃は欲望に突っ走ったせいで人に迷惑をかけたり、大事なものを失ったりすることもあったけど、この歳になってからはそこまでして欲望を満たしたいと思うことも無くなって、自分をコントロールできるようになりましたね。若い頃に比べて明らかに元気やエネルギーが無いので、衝動に突き動かされて夜中に走って誰かの家に行くみたいなことも無くなりました(笑)。
若い頃はその時の欲望や衝動にかられて目の前のものを逃さないために精一杯でしたけど、それは無くなりましたね。今は人に会わなくても愛犬のパコ美ちゃんがいるから満たされているし、誰か一人に好かれていれば“求められている欲”は満たされるなと感じています。ほんわかした欲望になってきたというか、コントロールできるようになってきましたね。それは別に悪いことじゃないし、歳を取るのはそういうことだとあきらめて認めることができています。
あと、50代になって性欲とかが無くなってきたこともあってか、ちゃんと人を人として見られるようになったし(笑)、本質を見られるようになりましたね。そのおかげで人との関係性も楽になったし、需要に合わせて見栄を張ったり取り繕ったりすることもなくなりました。休みの日は髪も洗わなくなったし、化粧もしなくなってきましたね。でも、汚いおばさんにはなりたくないので、人に不快感を与えないレベルでやっていこうと思っています。
とは言っても、50歳ってまだ元気だし、たまに欲望がピュッと芽生えることもありますよ。そのときは「いまだ!」と思って欲望のままに突っ走ります。楽になることでその欲望をあきらめてしまうのはもったいないって思っちゃう。そこの加減が難しいですね。いずれ全く欲望が出てこなくなるときが来ると思うので、今のうちにやれるだけやっておこうみたいな感じです。
――大久保さんは「歳を取るのが怖い」と思うことはありますか?
“イタいおばあさん”になっていくのは怖いですね。歳を重ねると怒られることがほとんどなくなって、生活スタイルが自分中心になります。自分のことしか考えなくなって居心地の良いことだけが中心になると、人に気をつかうエネルギーが無くなってきて、ご近所トラブルを起こすおばさんになりかねないじゃないですか。口ばっかり達者になって誰も何も言ってくれなくなって、トラブルを起こすようになって警察に通報されたり(笑)。
人とのしがらみは“イタいおばあさん”にならないためのストッパーだと思うんです。人との関わりでストレスになるくらいなら一人の方が楽だけど、これは絶対に持っておかないといけないと思います。
私は本当につらいときは人に頼って話を聞いてもらうようにしています。例えば、仲良くさせてもらっている芸人のいとうあさこさんは本当に弱みがないからかもしれないけど、滅多に弱みを見せないんですよ。でも、普段弱みを見せないような人から頼られたり、感情をぶつけられたりするのって嬉しいじゃないですか。頼られているのは認められている証拠だと思う。「じゃあ私も本当に困ったときは頼っていいのね」っていう“お返し”みたいなことも確認できる。本当にしんどい気持ちを抱えている人に頼られることを迷惑だって思う人は全然いないと思うんです。
<Yahoo ニュース>
「人のしがらみはストッパー」50代独身の大久保佳代子が“イタいおばあさん”になりたくないと語る理由